少子高齢化社会の到来、さらに厳しい経済環境も重なり私学を取り巻く社会経済的状況はいっそう困難さを増してきております。最近では「私立大学の振興に関する検討会議」、「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」で大学・学部の新増設抑制などがテーマの一つとして論議されております。一方、人事・給与問題では調停・訴訟にまで発展している大学など、さまざまな問題や課題を抱えている学校法人が全国に数多く存在し、厳しい時代が目前に迫っています。

最近、私学再生の経営実現という視点で「私学の再生経営」(㈱成文堂)に続いて、「私立大学で何がおこっているのか」(㈱成文堂)という書籍を執筆致しました。前者は一私大の破綻の淵からの再生について、再生施策と大学財政への効果を軸に述べました。一方、後者は事例を中心に最近の私立大学をめぐる動きを紹介しております。

今、日本の多くの私学は暗いトンネルの中で、なかなか出口が見えません。早急に出口を見つける必要があります。その一つのヒントとして1980～1990年代の18歳人口が約２割減少した人口減少期における米国の大学の教訓があります。それは「青年人口は減少したが高等教育人口が減少しなかった」ことです。

21世紀という新時代に入り、新しい教育の方向性の試みが益々期待されております。本オフィスはこの方向性と具体策を明らかにし、皆様の学校における問題解決の一助となることを切に願うものであります。

2017年3月
オフィス 新時代教育開発 主宰 岡本史紀